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第六話「桜並木の吸血鬼」

ネギ君が私達のクラスの担任になって3ヵ月あまり。
テストやお見合いやら図書館島での大冒険もあったりしたが無事に私こと生野 海里は無事中学3年生の春を向かえている。
まあ、色々なイベントがあったさいにネギ君が魔法使いだと気がつかれないためにアスナと走りまわったものだ。
途中朝倉がどこからか嗅ぎ付けたのか必要以上に迫ってくる時期があったがその時はアスナも手が離せなく。(勉強で)
私一人で朝倉という麻帆良のパパラッチを取り押さえるので大変だった。
おかげで朝倉に変な写真を取られてしまい心なしか問題が終ったようには感じていなかった。
未だにネギ君の秘密を知るのはアスナと私だけ。
なんとか、これからもこの状況を続けないといけない。
なにせ、他の魔法使いにばれるとオコジョにされてしまうらしいのだ。
流石に担任の子供先生がオコジョになって一生その姿というのはなんとも可哀想だ。
そして揺られる電車の中、横で今日から新学期だという意気込みの顔をしているネギ君を見る。
「ん? どうかしましたか、海里さん?」
ネギ君が私の視線に気がつき首をかしげる。
「いや、なんでもないのよネギ君。」
そう言うと私はネギ君の頭をクシャクシャとなでる。
ああ、忘れていた。
前に私達の部屋は特別な四人部屋で一人住居者がいないと言っていたがいまはその四人目はこのネギ君だったりする。
学園長の取り計らいらしいが、なにか釈然としない最初から私達にネギ君を押し付けるつもりであの部屋にしたのではないかと思う。
別にネギ君が嫌なわけではないのだが、なんか妙な気がするのだ。
ネギ君が一緒だとそれなりに良い所の方が多い。
例えば勉強教えてもらったり、魔法使いのことを教えてもらったり、なにか弟が出来たような感じで私は心なしかその状況を楽しんでいる。
などと考えている内にどうやら駅に到着したようだ。
アスナが私達三人に声をかける。
「さあ、今日も走るわよ!!」
「はい!!」
「準備ばんたんやー。」
「今日は私が一番乗りだからね。」
扉が開くと同じに人の影が駅のホームを埋め尽くしていく。
よくよく、みるとクラスメイトの顔も多々見える。
と、ノンビリ観察している暇はない。
今日は一番ビリだった奴がお昼のジュースをおごることになっているのだ。
私が走り出した時にはアスナと木乃香は既に前を走っており。
「海里ーどうしたのー? 今日はもうあきらめたのかなー?」
「海里ー!! はよせんとおいつけへんくなるでー。」
笑いながらこっちを見ている二人。
私も負けてられないとスピードを上げる。
不意に何かが足りない気がした。
アスナと木乃香に追いつきその疑問を聞いてい見る。
「ねえ、二人ともなにか私達忘れてない?」
聞くと二人はうーんと首を傾げて考える。
そんなものなのだ、大事なようで大事でないなにかを忘れているようなわかだまり。
すると後ろからネギ君の声が響く。
「あわわっ!! まってくださいよーー!!」


「おはよー。」
「あ、おはよーです海里。 今日も勝ったみたいですね。」
クラスに到着するとゆえが挨拶と今日の戦果を確認している。
最近この競争を始めているのだが、なぜか私が勝ってしまうとい結果になっている。
「まあねー。 今日は何を飲もうかなー。」
「ふう、アスナさんも木乃香も海里が相手では可哀想ですね。」
私は笑いながら今日のお昼に飲むジュースを考えていると、前にいるゆえがアスナ達をいたわる言葉を言う。
途端ゆえが私の後ろに目が行く。
「海里。 どうやらお二人が着いたようですよ。」
私はゆえの言葉を聞いて振りかえると。
その場には生も根も尽き果てたと言う顔でアスナがたっていて。
その前には木乃香が「助かったわー。」といってガッツポーズをしている。
「か、海里、あんた最近足、はやすぎ・・・・。」
ゼーゼーという肩で息をすほどキツそうな状態で声を絞り出す。
アスナの肩をポンポンと叩いている木乃香も
「そやなー、最近海里は無茶苦茶はやいもんなー。」
と、言ってアスナが落ち着いて今日の予定を木乃香と共に笑いながら考えていると。
「こら、そこのお馬鹿二人に木乃香さん!! 今日は三学期の初めですのよ!!」
後ろに、このクラスでネギ先生をこよなく愛する会などと馬鹿げたファンクラブ立ち上げたいいんちょが立っている。
私は流石に馬鹿という言葉に聞き捨てがならずいいんちょの前にたち言い返す。
「アスナだけならともかく!! いいんちょは私よりこの前のテスト下だったくせに馬鹿呼ばわりされたくないわね!!」
フッ、といいんちょに言い放つ。
後ろで灰になりかけているアスナを見かけた気がしたがあえてこの場は無視することにしよう。
木乃香も「海里!! それは言っちゃアカンて!! ああ!! アスナが灰に!!」と大慌てだ。
で私を馬鹿と言い放ったいいちょはそこで石と成り果てている。
なにかブツブツ言っているようなので近づいて聞いてみると。
「ウソよ、ウソよ。 たかが3位と4位の差じゃない・・・・」
永遠にブツブツ言っているので止めを刺すことにする。
「いいんちょ、表彰台に上がれるのは3位までなのよ。 4位はダメなの。」
と肩にポンと手を置くと物の見事にいいちょはくずれさった。
「海里、今日は結構無敵はいっているわね。」
とパルが言っていた言葉の後にチャイムがなり新学期が幕を開けた。
後で入ってきたネギ先生は二人の亡骸をみて多いに慌てていたのが印象的だった。


今日も程なく授業が終り、何事もなく私は机の上でベターっとなる。
ああ、何も無いわけではないか。
「確か、まきえが桜通りにでる吸血鬼に襲われたってのがあたなー。」
それは新学期に行なわれる身体測定でのことだ、ちょっと前からうわさになっていた吸血鬼の話題が出た時。
まきえが桜通りで倒れているのが発見されたらしい。
保健の先生は貧血だと言っていたのだが、ネギ君はどうも表情が芳しくなかった。
しかし、ネギ君は何事もなかったのかのように「やっぱり貧血みたいですね。」といっていた。
だが、今日は珍しく私達とは別行動をとって帰るといっていたのだ。
うーん、と悩んではいたがアスナ達に声をかけられて寮に帰ることにした。
その際、図書館メンバーと一緒に帰ることになり久々ににぎやかな帰宅となっていた。
道を途中まで来た頃だろうかパルとゆえと木乃香は本屋によるといいだして、アスナもそれに付き合うという。
私はアスナと相談して誰かを一人にするのは危険と考えのどかと一緒に帰ることとなった。
「か、海里さん。 えと、でたりしませんよねー。」
横に歩いているのどかが若干震えている声で言う。
「大丈夫よ、本当にいるとしてもわざわざ多人数いるのに襲ってくるほど馬鹿じゃないわよ。」
あはは、と言って私は笑っていいのける。
「そ、そうですよねー。」
のどかもから笑いながらも気分を高めようとする。
丁度日も落ちて来て暗くなったなーと思い始めた頃、不意に奇妙な声が桜通りに響いた。
「フッ、確かにわざわざ顔をみられる馬鹿な真似はしないがちょいと時間が無いんでね強硬手段と言う奴さ。」
その声は静かな小さい声だが、なぜかハッキリと大きく聞こえる。
「えっ!?」
「なに!?」
私とのどかはあたりを見まわす。
すると、夜風が吹き桜を揺らした瞬間街灯の上に誰かが立っているのに気がついた。
「はわわわっ!?」
のどかは私の後ろで震えている。
「で、でた!? マジ!!」
私も流石に動揺をしている。
「・・生野 海里に宮崎 のどかか、悪いがその血わけてもらうよ。」
あれ? なんで私達の名前を!?
私がその思考をするまで約0.1秒弱。
その間に街灯から吸血鬼は私達の目の前に迫っていた。
「マズッ!?」
瞬時に判断をしてのどかを抱えたまま真横に転がる。
まあ、判断をしただけで体はいまの状況に着いていってないのが現状だ。
吸血鬼は私達がいた場所にたたずみこちらを見て微笑んでいる。
顔を見ようとするのだがなぜかぼやけて顔だけが見えない。
「ほう、生野お前は思ったよりも使えそうだな。」
吸血鬼は言い放つとこちらに向かって足を進める。
わざとゆっくりと「お前達には退路は無い。」と言いたいように。
「どどど、どうしましょう!! 海里さん!!」
のどかはもう私の背中にしがみついている状況である。
不意に私はある物を持っていことに気がつき。
「のどか!! そのまま背中にしがみついてて!!」
言って、私はスポーツバックに入っているスケートボードを取り出す。
それを見ていた吸血鬼は笑いながら
「ははっ、それでは普通に走った方が早いだろうに。 気が動転したか?」
しかし、私とてそんなことは分かっている。
「あまいね!! あいにく私の腕とこのボードは特別製よ!!」
ボードにのどかを抱えたままのりボードのボタンを押した瞬間スケートボードは信じられない速度で地面を走る。
「なっ!!」
吸血鬼は驚いている。
そして次に開いた言葉は
「っち、ハカセと超の作ったやつか!!」
え、なんでそれをと思いつつも、私は後ろを振り返ることを逃げることに専念した。


第六話「桜並木の吸血鬼」完